故・延藤安弘先生を偲んで



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[21] やがて大きな花が咲く

投稿者: 四尺 美帆 投稿日:2018年 2月22日(木)14時53分49秒 p824227-ipngn14101marunouchi.tokyo.ocn.ne.jp  通報   返信・引用

延藤先生へ

何処の馬の骨ともわからない私を指導してもらいありがとうございます。
私が先生に初めてお会いしたのは2004年の名古屋のシンポジウムです。
当時の私は、幼少期の遊び場がバブル期にマンションへと変っていった事に違和感を覚えて、建築や都市工学を専攻していました。
人の気持ちが置いていかれたまま、お金のために急速に進む開発行為はどうすれば止められるのか。大人たちから見守られて育った幼少期の団地のような空間はどうやったら作る事ができるのか。
大学の講義も設計演習もピンと来ないまま、卒業論文を書く時期になり、苦し紛れに目に飛び込んだチラシのイベントに出かけたのです。
延藤先生の幻燈会でイエルク・ミュラーの絵本「変わりゆく風景」や高知県赤岡町のまちの人たちとのやりとりを見て、探していたものが見つかりました。
「まちの縁側」という様々な個性が集い良質的なコモンセンスが育くまれる曖昧な共用空間に答えが見えた瞬間です。
まちの縁側育くみ隊に入って、事務局のあったMOMOへ出入りし、サツキとメイの家のような橦木館で個性豊かな先生によるまちの縁側大楽へ参加しました。
コレクティブハウジングやコーポラティブハウス、参加者を巻き込むファシリテーション、KJ法やワークショップ。どれも大学の授業では扱われなかった、自分の求めていたものでした。

みよしまち育て塾
延藤先生の持つ魅力的なプロジェクトの中から、卒業論文の題材に愛知県三好町(現在はみよし市)の「みよしまち育て塾」紹介してもらいました。
まちや暮らしに対する様々な人の想いを知りたかったので、参加者の方や町役場の方にも貴重な時間を頂いて、インタビューをさせてもらいました。学生ばかりの郊外型キャンパスで過ごしてきたので、たくさんの世代の人たちとの対話は勉強になりました。ゼミを勝手に飛び出して、延藤先生の絵本部屋に転がり込み、論文の書き方もわからないのに、やる気だけあって、今振り返ると自分の至らなさや無計画でたくさんの人を振り回した事を恥ずかしく思います。こんな自分にも真剣に深い話までしてくれた三好町の方々や面倒をみてくれた育くみ隊の皆さまに感謝しています。延藤先生も時間のない中、出張前の朝7時コメダ珈琲でゼミを何度もしてくれました。皆さまの真剣なインタビューの内容には感心してもらえましたが、論文の構成や考察などはこってり絞られました。
情熱を持って渦を巻き起こし、生まれたつぶやきを生け捕りし、楽しいストーリーに編成して、展望のある縦読みにまとめるワークショップを日常のようにこなす先生の偉大さを改めて感じます。好き放題やらせてもらった論文は私の知りたかったことで詰まっていて、今でも宝物です。

就職で上京してからも時間の許す限り、ワークショップや愛・地球博などへ参加していたのですが、色々無理が祟って行けなくなりました。具合を心配して先生が東京駅の丸善でご馳走してくれたハヤシライス、嬉しかったです。
目標ばかり大きく持って、改革するんだと息巻いて飛び込んだ職場で、自分の学んだ事が通用しませんでした。嫌いで批判してきたモノ・カネ・セイドに対する正しい知識が不足していました。昨今コンプライアンスの重要性が認知され、ヒト・クラシ・イノチを守るためにもモノ・カネ・セイドは必要なものだと痛感しています。
いつか恩返しするからと、好きなだけ借りた懐に何も返せないまま先生の旅立ちを見送り申し訳なく思います。
先生のスピードに全然追いつけませんでしたが、先生からもらった種はまだ持っています。あちこち行きたくなる気持ちはわかるけど、じっと止まってやる事も必要なんだと言っていた先生。未だに休んでばかりですが、種を蒔く土壌を小さくても少しずつ耕そうと思います。


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